コンセプト

健康と死生観

 

 

消防士のときは救急現場でたくさんの人の最期をみてきました。

家族に看取られて穏やかに迎える場合もあれば、不幸にも交通事故で若くして亡くなってしまった方もいます。

このような現場を毎日のように見てきたからか、自身や家族など身近な人に対する健康と死生観について深く考えるようになりました。

 

ーー災害現場での救助救急活動だけではすべての人を救えないーー

 

 

救急車の利用者数は年々増加しており下がる気配がありません。

いくら自分が災害現場で奮闘しても救える人の数は限られます。

一方で超過死亡者数は年々増すばかり。

このように悔しく、また歯がゆい思いを強く抱くようになりました。

医療は発展しているのになぜ国民医療費は減らないのか、平均寿命は延びているのになぜ健康寿命との差が埋まらないのか、健康にまつわる色々なことに疑問を抱くようにもなってきました。

 

そんな中、運動というものが怪我だけでなく生活習慣病や他の様々な疾病に対して高い予防効果があることを知ります。

しかも運動は病気や怪我予防だけでなく、私たち人間の健康と幸福に与える影響が計り知れないということも学び、理解するに至りました。

昔から運動は良いとは知っていましたが、なんとなく知っていた程度でここまで理解していませんでした。

おそらく周囲の人も同様に詳しくは知らないのだろうと思いました。

 

 

運動の可能性と決意

 

 

寝たきりや認知症の患者の家族は、程度の差はあれおしなべて疲弊しています。

高齢者に多くみられる大腿部頚部骨折は治療後の予後が悪く、50%の方は発症以前のように歩けなくなり、寝たきりになってしまう方も多くいます。また、発症後1年以内に10%の方が亡くなっているという現実もあります。

認知症は65歳以上の7人に1人が発症しており、今後さらに増え続けると予想されています。

転倒による骨折や認知症はいずれも定期の運動によって予防できる可能性が高いと思っています。

そしてガンや生活習慣病をはじめ健康寿命を縮める様々な疾患も運動により予防できる可能性が高いと言われています。

 

一人一人が健康を維持することは、周りの家族を疲弊させない、苦労させないためにも非常に重要です。

 「身体に悪いと分かっていても好きなものを食べて好きなことをして、自分は太く短い人生でいいんだ」という考えは否定しませんが、決して残される家族のためにはなりません。

大人が健康であり続けることは家族、とりわけ子供たちの幸せのため、疲弊させないためにとくに必要なことです。

家族を疲弊させないためにも、自身が末永く健康で元気でいなければならないのです。

 

しかし、定期に運動している人が日本では人口比でわずか約3%と少なく、アメリカの約18%に到底追いついていないことも知りました。

定期的に運動することの素晴らしさを伝えて、これまで救えなかった人たちを救いたい、その思いがトレーナーを目指すようになったきっかけです。

 

 

トレーニングの難しさ・挫折・トレーナーの必要性

 

 

消防士のときは毎日のようにトレーニングしていて、時には激しく自身の身体を追い込み鍛えていました。

消防士はもとからトレーニングが好きで得意な人が多いのですが、運動理論や解剖学に詳しい人は少ないため、科学的に効果のあるトレーニングというものは僕が勤務した消防署ではほとんど行われていませんでした。

僕自身、怪我が絶えずいつもどこかに故障を抱えていて、仕事のパフォーマンスにもマイナスの影響が出てしまっていたこともあります。

 

僕が消防士を目指したきっかけはレスキュー隊に憧れていたからです。

オレンジ服を着て多くの人を助けたい、そのような思いが徐々に強くなり、レスキュー隊になるためにはまずは消防士として従事する必要があることを知り、消防士を目指しました。

入庁後数年してから憧れの特別救助隊(レスキュー隊)選抜試験を受験し合格しました。

試験合格者は少し期間をあけて、地獄の研修といわれる特別救助技術研修を受講することになります。

この研修を脱落せずクリアした者にのみ、レスキュー隊員としての資格認定が与えられるのです。

地獄の研修では自身の気力体力を極限まで追い込まれることを先輩方から聞いていたので、それに耐えられる体力をつけなければと自身を追い込み、研修に向けて日々トレーニングに明け暮れていました。

ところが、そのトレーニングで怪我をしてしまったのです。

その怪我がきっかけで、研修の受講を直前で辞退するに至ります。

とても悔しかった思い出です。

 

このようなことは、僕に限らずどなたでもあり得ることではないでしょうか。

筋トレや有酸素運動は身体に良いというのは誰もが理解しています。でも具体的にどのような運動をどの頻度でどの強度で何回くらい行えばよいのか、皆さん知っているでしょうか。

アスリートや消防士などは、どちらかというとやりすぎてしまい怪我をするパターンが多いのです。それ以外の一般の方でも意気揚々にトレーニングを始めて、どのくらい行えばよいかよく分からずやりすぎて痛めてしまうことは良く耳にします。

年齢や性別、既往症、スポーツ歴、関節可動域、筋繊維の遺伝的種類、好み、運動の目的、その人の運動能力など様々な要因によってその人に必要なトレーニング内容は全く変わってしまいます。

つまり、最適解は人によってすべて異なるということです。

さらにいうと、周囲の環境やその人の成長度合いによって、同じ人でさえもトレーニング内容は刻々と変わっていきます。

これはアスリートも一般人も同じです。

なので、一律の基準というもの自体、本来は必要ないと思っています。

逆に一律の基準があると、人によってはそこに無理に到達しようとして怪我をしてしまう可能性が高まります。

人それぞれトレーニング内容とステップアップするスピードが異なるということを理解するべきで、よくSNSなどで「これだけやれば痩せる」とか「最速ボディメイク方法」などは当然すべての人には当てはまらないのです。

 

運動はとても健康に良いのですが、誤った運動を過度に行うと、目標まで遠回りしてしまい、最悪は怪我に繋がります。せっかくやる気を出して健康のために始めたトレーニングで怪我をしてしまっては悔しいの一言に尽きます。いつまでも継続して運動するために、それだけは避けてほしいと願っています。

 

 

RESCUE-GYMの名前の由来

 

 

 

 RESCUE=助けるという意味ですが、「僕が皆さんを助ける」のではなく、最終的には「皆さんが皆さん自身を助けられるようになってほしい」という願いを込めて付けました。

このジムでの主役は皆さん自身です。

運動するのは誰から何を言われようが、自分自身です。

トレーナーからいくら励まされても、運動するしないの判断をするのは自分自身です。

ただ、運動した恩恵を受けるのも、やっぱり自分です。

僕の運動指導で皆さんを健康にする、皆さんを助けるRESCUEということではなく、僕が運動の素晴らしさと方法を伝えて、皆さんのマインドを変化させて、皆さんが自分の意志で運動して自身の人生を豊かに暮らす、自分の人生を守ってほしいという希望が込められています。

 

実はそのような想いもあって、パーソナルトレーニング以外にセルフトレーニングの場所も提供しようと考えました。

パーソナルトレーニングは金銭的に敷居が高いと感じている方はまだまだいらっしゃいますので、そのような方にも気軽に運動できるスペースを作りたいと思ったのです。

運動習慣のない方がセルフで手頃に始めてみて、運動が楽しくなり慣れてきたら、更なるレベルアップを目指してパーソナルトレーニングに移行する、このような流れもできるかなと。

 

そして、ある程度自分に合った運動のやり方や頻度などを覚えたら、最終的には自宅で自身のペースで運動できるようになれば、その方はもう心配いりません。

ですから、まずは初歩段階である「運動習慣をしっかり身に付ける」ことが大切であり、頑張って一歩踏み出してジムに通っていただければ、RESCUE-GYMが精一杯お手伝いいたします!

RESCUE-GYMは『共助』(地域やコミュニティなどが協力して助け合うこと)という考え方も大切にしています。私たちがお客様に指導するというより、あなたのより良い人生を私たちと共に築いていけることができれば、こんな嬉しいことはありません!